平成19年設計課題


  平成19年一級建築士 設計製図の課題 <<< 前のページに戻る

「子育て支援施設のあるコミュニティセンター」について 7/22(日)

平成19年一級建築士「設計製図の試験」設計課題が発表されました。「子育て支援施設のあるコミュニティセンター」です。

課題の前文になっています「子育て支援施設」として、厚生労働省が管轄する地域子育て支援センター事業があります。その目的は、「地域全体で子育てを支援する基盤の形成を図るため、子育て家庭の支援活動の企画、調整、実施を担当する職員を配置し、子育て家庭等に対する育児不安等についての指導、子育てサークル等への支援などを通して、地域の子育て家庭に対する育児支援を行う。」とされています。

また、具体的な事業内容として次の項目が挙げられています。
(1) 育児不安等についての相談指導
(2) 子育てサークル等の育成・支援
(3) 特別保育事業等の積極的実施・普及促進の努力
(4) ベビーシッターなど地域の保育資源の情報提供等
(5) 家庭的保育を行う者への支援

少子化や核家族化により家族の形態が変化していることや、都市化により近隣住民との人間関係が希薄化していることで、子育て中の親御さんが、育児について相談できる相手が身近にいないなど、家庭内や地域社会における子育て機能の低下が問題となっています。各自治体でも子育て支援に関する条例を定め、子育てに関する指導や支援などが行なわれています。

コミュニティセンターは、もともと地域住民のコミュニティを目的とした施設で、その機能として「子育て支援」が大きく取り込まれた課題設定になると考えられます。また、児童、高齢者など含む住民全般が利用する施設ですから、複雑な動線計画が求められることも想定できます。

”子育て支援”というキーワードを検索すると、現在の子育ての問題、支援などが見えてきます。

Custom Search


過去に出題された設計条件を参考に今年の課題を考察してみました。

設計主旨について
課題の最初に記載される最も重要な設計条件として、子育て支援部門・コミュニティ部門・管理部門などの適切なゾーニングと動線計画、地域に開かれた施設、防犯、自然採光、周辺環境への配慮、緑化、アプローチ制限などが考えられます。

<敷地及び周辺条件>
過去の出題では敷地面積2000u〜3000uの角地が多く、それぞれの道路から主アプローチ、従アプローチを考慮した計画を行うことが大切です。今年の課題でも東西南北の接道が想定でき、多様なパターンが考えられます。周辺条件も様々考えられますが、隣地に静寂を要する住宅や病院などがある場合には、十分な配慮が必要です。

<建築物>
ラーメン構造による鉄筋コンクリート造2〜3階建の出題に多く、地階が求められることもあります。延べ面積は各部門の規模により異なりますが、2000uから5000u程度が考えられます。また、所要室として考えられる多目的ホールや遊戯室など、大きな空間を計画するために柱を抜き、鉄骨の梁を使用することが考えられ、"一部鉄骨造としてもよい" 条件付けられることもあります。A2の答案用紙に1/200で作図することを考えると、これ以上に大きな敷地面積や延べ面積では用紙に納まらないことも面積範囲を制限すると思われます。

<屋外施設>
施設利用者用・サービス用の駐車スペース、駐輪スペースが考えられえます。また、敷地内にまとまった広さのオープンスペースやコミュニティ広場、さらに、子育て支援施設用の屋外遊技場が要求されることも十分考えられます。

<所要室>
子育て支援部門では、子育て相談室、託児室、サークル室、遊戯室、事務室などが想定できます。また、、コミュニティ部門は、多目的ホール、ラウンジ、集会室、サークル室、図書室、軽食・喫茶室、大浴場、医務室、管理事務室、センター室長室等があります。それぞれの室機能を理解し、管理部門を含めた動線を考慮した計画ができるようになることが大切です。

<要求図面>
近年の出題は、1階平面図兼配置図(1/200)、2階平面図(1/200)、各階平面図(1/200)、断面図(1/200)、面積表という構成が多いですが、立面図や設計主旨が要求される場合もあり練習しておく必要があります。

類似課題
下記に記載しましたようにコミュニティ施設は、近年、出題頻度が高い課題といえます。平成17年に出題された「防災学習のできるコミュニティ施設」は既存部の改修設計と新設部の設計を行なう課題でした。また平成14年の「屋内プールのあるコミュニティ施設」では、屋内プールが2階に要求されました。このように、コミュニティ施設系の課題は奇を衒うような条件が出される傾向にあります。いづれも落着いて計画すると、難しくはないのですが、試験会場で予想外の条件を読むと動揺させられてしまいます。

建物全体の面積構成や所要室の要求など、参考にできることも多いため類似課題の概要を示しておきます。

 平成17年の課題概要 「防災学習のできるコミュニティ施設」
敷地 52m×45m 2340m2 南側道路(幅員15m) 北側道路(幅員8m) 
延べ面積 1800m2以上2300m2以下(既存部と新設部の合計)
屋外施設 多目的広場、カフェテラス、駐車場:車いす用2台・サービス用2台、駐輪場:10台、ごみ置場
所要室 防災学習部門 防災学習室、地震体験室、煙体験室、防災シアター、展示ホール、防災ライブラリー、倉庫
集会・生涯学習部門 集会室、調理実習室、和室、工作室、パントリー、倉庫
共用・管理部門 喫茶室、エントランスホール、管理事務室、医務室、講師控室、便所、災害用備蓄倉庫、電気・機械室
要求図面 1階平面図兼配置図(1/200)、2階平面図(1/200)、立面図(1/200)、断面図(1/200)、面積表

 平成14年の課題概要 「屋内プールのあるコミュニティ施設」
敷地 52m×38m 1976m2 東側道路(幅員15m) 北側道路(幅員15m) 
延べ面積 2300m2以上2800m2以下
屋外施設 屋上庭園、駐車場:車いす用2台・サービス用2台、駐輪場:20台、ごみ置場
所要室 生涯学習部門 教室、図書室、和室、浴室、講師控室、パントリー
スポーツ施設部門 プール室、監視室、トレーニングルーム、エアロビクススタジオ、更衣室、ラウンジ、指導員室、器具庫
その他 レストラン、プール観覧用ギャラリー、エントランスホール、エレベーターホール、事務室、医務室、倉庫、便所、電気・機械室
要求図面 1階平面図兼配置図(1/200)、2階平面図(1/200)、3階平面図(1/200)、断面図(1/200)、面積表

 平成12年の課題概要 「世代間の交流ができるコミュニティセンター」
敷地 50m×65m 2750m2 北側道路(幅員15m) 東側道路(道路幅員12m)の角地 南に傾斜  
延べ面積 2200m2以上2600m2以下
屋外施設 コミュニティガーデン、遊び場(幼児・学童)、駐車場(車いす使用者用1台、サービス用4台)、自転車置場20台、ゴミ置場
所要室 交流部門 陽だまりラウンジ、情報ラウンジ、ギャラリー、多目的ホール、倉庫、喫茶室、サウナ・気泡風呂
生涯学習部門 趣味・娯楽室、パントリー、倉庫、教室(2室)
子供部門 遊戯室(2室)、図書コーナー、保育室、パントリー、保育士控室、子供用便所
その他 エントランスホール、事務室、講師控室、医務室、倉庫、便所、電気・機械室
要求図面 1階平面図兼配置図(1/200)、2階平面図(1/200)、断面図(1/200)、面積表

 平成7年の課題概要 「市街地に立つコミュニティセンター」
敷地 50m×40m 2000m2 北側道路(幅員15m)
延べ面積 2400m2以上2900m2以下
屋外施設 駐車場6台分、自転車置き場20台分
所要室 エントランスホール、ラウンジ、集会室、サークル室、和室、図書室、展示コーナー、軽食・喫茶室、大浴場、休憩コーナー、医務室、管理事務室、センター室長室、応接室、機械室、電気室、災害用備蓄倉庫、倉庫、便所
要求図面 1階平面図兼配置図(1/200)、2階平面図(1/200)、3階平面図(1/200)、断面図(1/200)、面積表

<<< 前のページに戻る









Copyright(c) kentikusi.com All rights reserved.