平成21年設計課題

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貸事務所ビル(1階に展示用の貸スペース、基準階に一般事務用の貸スペースを計画する。)について


平成21年一級建築士「設計製図の試験」設計課題が発表されました。「貸事務所ビル(1階に展示用の貸スペース、基準階に一般事務用の貸スペースを計画する。)」です。設計の学習をする時に、一番集約されているのが事務所ビルと言われますので、課題としては申し分ないと思います。

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見直しのイメージに記載された事項と過去に出題された設計条件を参考に今年の課題を考察してみました。
国土交通省ホームページ https://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000111.html

設計主旨について

課題の最初に記載される最も重要な設計条件として、貸事務所ビル部門と管理部門などの適切なゾーニングと動線計画、構造計画、環境負荷低減、防犯、自然採光、周辺環境への配慮、緑化、アプローチ制限などが考えられます。

<敷地及び周辺条件>
それぞれの道路から主アプローチ、従アプローチを考慮した計画を行うことが大切です。今年の課題でも東西南北の接道が想定でき、多様なパターンが考えられます。周辺条件も様々考えられますが、隣地に静寂を要する集合住宅や病院などがある場合には十分な配慮が必要です。

<建築物>
延べ面積は各部門の規模により異なりますが、4000uから6000u程度が考えられます。構造(構造種別は自由とする)及び設備(空気調和・衛生設備、電気設備、エレベーター)について適切に計画する。構造や設備についても様々なパターンが想定できるため、明確に試されることになりそうです。

<その他の施設等>
施設利用者用・サービス用の駐車スペース、駐輪スペースが考えられえます。また、敷地内にまとまった広さのオープンスペースやコミュニティ広場が要求されることも十分考えられます。

<所要室>
室構成や床面積を大括りの設定とするなど、設計の自由度を高める課題となるようです。
@主要な室のみを与えるものとする。
A室の床面積については、与条件として設定する部分を減らす。
B異なる機能を複合させた部分を減らす。

貸事務所ビルでは、エントランスホール、レストラン、コンビニ、それと課題のカッコ書きについている、1階に展示用の貸スペース、基準階に一般事務用の貸スペースを計画するにも配慮が必要です。また、サービスは、集配等があります。それぞれの室機能を理解し、管理を含めた動線を考慮した計画ができるようになることが大切です。

<要求図面>
今年の課題発表では要求図面が公表されました。1階平面図兼配置図(縮尺1/200)、基準階平面図(縮尺1/200)、断面図(縮尺1/200)、基準階梁伏図(縮尺1/200)、面積表です。この内、梁伏図が初出題です。答案用紙はA2が配布されます。
(注)要求図面に新たに図示させるもの
 ・耐力壁等の位置、柱・梁等の断面寸法
 ・設備機器等の位置、設備シャフト等の位置

<計画の要点等>
従来とは異なり、計画の要点等の答案用紙A3が配布されます。
@ 建築計画(ゾーニング、動線、景観への配慮等)
A 構造計画(構造種別、架構形式、耐震計画等)
B 設備計画(空調設備、給排水衛生設備、防災設備、電気設備、環境負荷低減等)
@〜Bの計画に関し配慮した事項、周辺環境に対し配慮した事項などについて、記述(又は簡易な図示)をさせる(1問あたりの記述のボリュームは従来と同程度とし、10 問程度)。
類似課題

建物全体の面積構成や所要室の要求など、参考にできることも多いため類似課題の概要を示しておきます。

 平成10年の課題概要 「多目的ホールのある事務所ビル」
敷地 50m×35m 1750m2 北側道路(幅員20m) 西側遊歩道(幅員10m) 
延べ面積 4000m2以上4500m2以下(地階を除く)
屋外施設 オープンスペース、駐車場:サービス用2台
所要室 事務所部門 事務室、リフレッシュコーナー、湯沸室、便所、受付ロビー、エレベーターホール(1)
展示部門 ショールーム、準備倉庫、セミナー室、エレベーターホール(2)
多目的ホール部門 多目的ホール、ホワイエ、便所、映写室、準備室、備品倉庫
店舗部門 レストラン、コーヒーショップ、ごみ置場
共用部門 共用ロビー、倉庫、便所、車いす使用者用便所
要求図面 1階平面図兼配置図(1/200)、2階平面図(1/200)、基準階平面図(1/200)、断面図(1/200)、面積表

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