平成22年設計課題

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小都市に建つ美術館について
平成22年一級建築士「設計製図の試験」設計課題が発表されました。「小都市に建つ美術館」です。

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過去に出題された設計条件を参考に今年の課題を考察してみました。

<敷地及び周辺条件>
それぞれの道路から主アプローチ、従アプローチを考慮した計画を行うことが大切です。今年の課題でも東西南北の接道が想定でき、多様なパターンが考えられます。周辺条件も様々考えられますが、公園等の景観やアプローチ制限がある場合には十分な配慮が必要です。

<建築物>
構造は、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の指定が考えられます。大きな展示室を計画するために柱を抜き、鉄骨の梁を使用することが考えられ、"一部鉄骨造としてもよい"と条件付けられることもあります。階数、床面積は「小都市に建つ」という前文から、2〜3階建て、2000uから3000u程度が考えられます。

要求室は、室構成や床面積を大括りの設定とするなど、設計の自由度を高める課題となるようです。
@主要な室のみを与えるものとする。
A室の床面積については、与条件として設定する部分を減らす。
B異なる機能を複合させた部分を減らす。

平成6年に出題された「地方都市に建つ美術館」には、常設展示室、企画展示室、収蔵庫、喫茶室、ミュージアムショップ等があり、それぞれの室機能を理解し、管理を含めた動線を考慮した計画ができるようになることが大切です。

<その他の施設等>
施設利用者用・サービス用の駐車スペース、駐輪スペースが考えられえます。また、敷地内にまとまった広さの屋外展示スペース、サービスヤード、カフェテラスが要求されることも十分考えられます。

<計画に当たっての留意事項>
美術館のそれぞれの部門の適切なゾーニングと動線計画、構造計画、設備計画、環境負荷低減、防犯、自然採光、周辺環境への配慮、緑化などが考えられます。

<要求図面>
今年の課題発表では要求図面が公表されました。1階平面図兼配置図(縮尺1/200)、平面図(縮尺1/200)、断面図(縮尺1/200)、梁伏図(縮尺1/200)、面積表、計画の要点です。昨年、出題された梁伏図では、3階からの見下げ図とすることが条件され、注意して置くことが大切です。

(注)要求図面に図示させるもの
 ・耐力壁等の位置、柱・梁等の断面寸法
 ・設備機器等の位置、設備シャフト等の位置

<計画の要点等>
計画の要点等の答案用紙A3が配布されます。
@ 建築計画(ゾーニング、動線、景観への配慮等)
A 構造計画(構造種別、架構形式、耐震計画等)
B 設備計画(空調設備、給排水衛生設備、防災設備、電気設備、環境負荷低減等)
@〜Bの計画に関し配慮した事項、周辺環境に対し配慮した事項などについて、記述(又は簡易な図示)をさせる(1問あたりの記述のボリュームは従来と同程度とし、10 問程度)。


類似課題

建物全体の面積構成や所要室の要求など、参考にできることも多いため類似課題の概要を示しておきます。

 平成6年の課題概要 「地方都市に建つ美術館」
敷地 50m×50m 2312.5m2(南西の角を削除) 北側道路(幅員8m) 東側道路(幅員18m) 
延べ面積 2000m2以上24000m2以下
屋外施設 屋外展示スペース、サービスヤード、駐車場4台、自転車20台
所要室 展示部門 常設展示室、企画展示室
収蔵部門 収蔵庫
共用部門 エントランスホール、喫茶室、ミュージアムショップ
コミュニティ部門 セミナー室、工房、図書室
管理部門 館長室、学芸員室、応接室、事務室
その他 機械室、電気室、便所
要求図面 1階平面図兼配置図(1/200)、2階平面図(1/200)、断面図(1/200)、面積表

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