建築士.com2級建築士製図対策室練習課題


課題・答案例 設計条件の検討 エスキース 構造チェック 作図チェック
練習課題NO.11「住宅地に建つ喫茶店併用住宅(木造2階建)」

1.建物の床面積の目安
延べ面積の160m2以上200m2以下
という延べ面積条件と1・2階の要求室面積から、ほぼ総2階の建物になることが推測できます。1階約90u、2階も90u程度だと考えられます。
A建物・屋外施設の配置
この課題は、住宅のアプローチ、喫茶店のアプローチ、駐車スペース2台分、駐輪スペース5台分、屋外テラス30u以上を道路に関連させて配置するため、建物を北側に寄せるよう計画します。

南北方向は、北側隣地境界線から1間(1820mm)の距離をとり、南側道路境界線から駐車スペースを考慮し3間(5460mm)とすると、4.5間(8190mm)の空きができます。東西方向は、東側隣地境界線及び西側隣地境界線から、それぞれ1間(1820mm)の距離をとると7.5間(13650mm)のスペースができます。建物は東西に長く配置する方が、日当たりのよい南側に居室を多く配置できますので、この範囲内に建物を計画することにします。

建物の配置で注意する点として、隣地境界線からの距離が1,820mm未満だと、1階部分の居室の採光が取れないことがあるため、採光窓が他の方向にも設置できるか確認することです。また、隣地境界側に居室がない場合でも、人が通行できるよう最低でも1,325mmは離しておきましょう。

この段階では、建物外形は仮定であり大まかな目安にすぎません。平面計画を進めていくことで建物外形が決定されます。この形に固執していると計画が進まず、つまづいてしまう人がいますので、柔軟に対応することを心がけてください。


B建物内のゾーニング[エスキスの進め方]

建物の1階・2階床面積を目安に単線フリーハンドで所要室を配置します。エスキスは1/100にて行ってください。
スケール感を養うためにも、製図と同じ縮尺を用います。プランを作成する上で注意することは、1・2階をできるだけ同時に考えることです。特に階段は上下階同じ位置にあり、配置によって室への動線に大きな影響があります。また、原則として2間(3,640mm)を超える幅の室を作らないことにより、木構造として問題が少ない架構を構成できます。

1) 畳の大きさを基準にする
まず、所要室で条件とされている面積は、解答用紙のマス目いくつ分になるかを考えます。そのためには、平方メートルで考えるよりも、畳の枚数に換算したほうが、マス目を数えるだけですむので検討をつけやすいです。 解答用紙の1マスは、4.55mmですので、これを「S=1:100」に換算すると、1マスが455mmを表していることが分かります。つまり、畳の大きさは以下のようになります。 

半畳 (0.5畳) 1 畳
0.91m×0.91m
0.8281 m2
0.8281m2×2
1.6562 m2

以上の関係をしっかりと把握し、1畳の大きさ 「1.6562」 という数値を覚えて下さい。


2) 所要室面積【m2】を、【畳】に換算する では、所要室面積【m2】を、【畳】に換算します。最初ですので、他の紙に所要室を書き出し、以下のような表を作成して下さい。「畳」と「m2」を混同しないように、必ず単位をつけます。「畳」 は画数が多く記入に時間がかかるため、「J」 と記します。
要求室の面積が指定されていない場合や適宜とされている場合は、室の用途に応じて任意に床面積を決めてください。
J=畳)
1階所要室
面積条件[A]
何畳になるか計算[B]
備 考
客席スペース
40 m2 以上
40÷1.6562=24.15 25 以上
厨房
13 m2 以上
13÷1.6562=7.84 8 以上
客用便所 男女別 4 J 以上 仮に設定
従業員室 4 m2 以上 4÷1.6562=2.41 3 以上
従業員便所 適宜 2 以上 仮に設定
玄関 - 2 以上 仮に設定
納戸 6 m2 以上 6÷1.6562=3.62 4 以上
合 計 
48


実際の試験では、問題用紙の「所要室」欄横やエスキス用紙に書き出します。
半端な畳は無いので、小数点以下は繰り上げます。2階も同じように計算します。

2階所要室
面積条件[A]
何畳になるか計算[B]
備 考
台所・食事室・居間 25 m2 以上 25÷1.6562=15.09 16 以上
納戸
3 m2 以上
3÷1.6562= 1.81
2 以上
夫婦室
12 m2 以上
12÷1.6562=7.24
8 以上
その他収納
子供室1
9 m2 以上
9÷1.6562= 5.43
6 以上
その他収納
子供室2
9 m2 以上
9÷1.6562= 5.43
6 以上
その他収納
浴室
3 m2 以上
3÷1.6562= 1.81
2 以上
洗面脱衣室
4 m2 以上
4÷1.6562= 2.41
3 以上
便所
1,365×1,365
1.86÷1.6562=1.1
2 以上
合 計 
45

1階と2階の差が約3畳あることから、ほぼ総2階の建物となることが分かります。


3) 総畳数を計算する
1階の畳数の合計は 「48畳」。これに、収納や廊下、階段が加わるので、1.2 を乗じます。
1.2 は、1階の所要室(総畳数)にかける係数で、目安として用います。) 
 48×1.257.6 J → 58  (偶数になるように繰り上げます) 

2階の畳数の合計は 「45畳」。これに、押入や廊下、階段が加わるので、1.2 を乗じます。 (1階係数より数値が小さい理由は、収納等の居室以外の面積が、1階より小さくなると仮定しているからです。また、ここで吹抜部分を差し引かないで下さい。) 
45×1.2=54.0 J  54  (1.2 は、所要室(総畳数)にかける係数)


4) 面積確認のため逆算する 1階と2階の総畳数を出します。 
58+54112
つぎに、延べ面積が条件を満たしているかどうかを確認するため、総畳数をm2に換算します。 
112 × 1.6562m2 = 185.49 m2

延べ面積 : 160m2 185.49 m2 200m2  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
延べ面積の条件を満たしている。

もし、条件より小さくなってしまった場合は、延べ面積条件の中間値(180m2)になるよう、1階・2階それぞれに同面積分を増やします。  
[例]140m2となってしまった場合
180m2−140m2 = 40m2 畳数に換算すると、約24.15畳になるので、【1階+2階=総畳数】に、26畳程度増やします。
したがって、半分ずつ振り分け、1階に13畳、2階に13畳を増やして調整します



5) 建物の外枠を決める
建物の外形の形と大きさを決めます。これは、居室を組み合わせて建物を計画するよりも、敷地内に建物の外枠を決めておけば、その中に居室を配置するだけでよいので、エスキスが大変楽になるからです。簡単なジグソーパズルと同じです。
基本となる外形の大きさを決めるために、2階の面積を使用し、2階から計画します。

1.短手(南北)方向の長さを決める
 ◎4間、4.5間、5間程度で見当をつける。   
   A  便所、洗面脱衣室、浴室など水回りを北側1間に1列で配置する   
   B  廊下幅は、Aの南側に 1,820mm(4 マ ス=1間) または 1,365mm(3 マ ス=0.75間)とし、後で調整する。
      このとき、廊下の突き当たりに、便所や階段を配置してもよい。
   C  道路境界、隣地境界から東西南北とも、1間(4コマ)以上離す。
   D  子供室を廊下の南側に配置する際、6畳を横長に配置するか、縦長に配置するかで、4間または4.5間となる。
      さらに、奥行き0.5間の収納を配置しなければならないことに注意する。
 第2課題案では、4間と設定して進めます。

2.長手(東西)方向の長さを決める。 ◎2階の総畳数を便宜的に偶数になるよう、2で割って坪に換算する。

54J/2=27 → 27
 1.で短手(南北)方向の長さを決定したので、割り算をして長手(東西)方向の長さを出す。 
27坪/4間= 6.75

長手(東西)方向 = 7.0 間


6) 所要室のレイアウト  *エスキスは2階から

所要室を設定した建物外枠の中に配置していきます。
まず要求面積の大きな室の位置と各階同じ位置になる階段を配置し、他の室の区画していく方がまとめ易いと思います。
各室にはホールや廊下から独立した出入口を設け、他の室を通過しなければその室に入れない計画をしないよう注意してください。

[2階のエスキス]
2階から計画します。
まず、南側2間(3,640mm)を居室、北側1間(1,820mm)を便所や浴室等の水回りとし、あいだに廊下1間(1,820mm)の南北4間(7,280mm)を基本として計画します。階段は建物の角に配置してしまうと、その前方に空間を確保しなければならなくなりますので、できるだけ角には配置しないようにしてください。また、階段の位置は1階との連続性が必要ですので1階の室配置も考慮してくだい。

東西方向は建物の配置で検討したとおり、7.0間(12740mm)とし各室を区画します。
子供室などの居室は、特に条件がない場合でも日当たりに考慮し、できるだけ南側に配置するようにしてください。9.93m2以上と要求されていることから廊下の南側に6畳の居室配置が必要ですが、この6畳を縦長あるいは横長に配置するのかによって、南北方向2間あるいは1.5間を必要とし、そのほかに収納を設けることを忘れないように注意してください。また、台所・食事室・居間は東側に、夫婦室は西側に配置しました。

なお、課題内容によっては北側一列型が採用できない場合もあります。


2階エスキス 作図時間目安 60分(1階+2階)


[1階のエスキス]
今回の課題は、ほぼ総2階なので2階と同じように、7.0間×4.0間の範囲に計画します。

住宅の玄関や店舗の出入口はできるだけ端に配置しないほうが良いですが、設計条件、階段との位置関係、動線等によっては、やむを得ない場合もあります。その場合、必ず通し柱の両側に筋交のある耐力壁を配置して下さい。
階段の位置が決定したら、それぞれの要求室面積を方眼で確認しながら、1階の要求室を描き込みます。屋外テラスを南東に配置し、客席スペースは一体的に利用できるよう隣接して配置します。厨房は駐車場からの搬出入を考慮し南側に設け、従業員室と従業員用便所を近くに設けます。なお、住宅の玄関は、西側の隣地境界線に沿ってアプローチする計画としました。

1階エスキス 作図時間目安 60分(1階+2階)

D 柱・開口部・家具の配置
エスキスに柱、開口部、家具を描き入れます。
柱は、まず最初に通し柱の位置を確認し、描き入れます。柱は、大きな黒丸●で塗りつぶして確認して下さい。
その他の1階と2階の柱の配置、筋交の位置を確認します。開口部の両端には、必ず柱を配置します。
外壁面のサッシやドアは、通風・採光を考慮して書き入れますが、幅は2間(3,640mm)以内に押さえないと床梁や胴差、軒桁の部材断面形状が大きくなりすぎ、バランスの悪い架構になってしまいます。また、床梁や小屋梁をどう掛けるのかも考慮しながら位置を決定してください。
1・2階開口部の位置を合わせることで、構造的にもエレベーションも効率がよい建物が設計できます。内部の開口部は、使い勝手、設備機器の配置、動線などを総合的に考え記入してください。

以上のように、2階から作成しますが、1階の室配置も同時に考えながら進めて下さい。
また、この時点で、2階のエスキスには1階部分の屋根や庇、面積が指定されている居室の最終面積も書き込んでおいてください。


階段と和室は、以下のパターンで覚えましょう。和室は畳数に換算した洋室にも応用できます。

*階段のレイアウト

 * 住宅の階段は、15段以上を基本とします。

*和室のレイアウト 【4畳半の畳の敷き方】


×
右側の敷き方は、畳の敷き方として正しくありません。
4畳半の和室が出題されることはほとんどないと思いますが、確認しておいて下さい。
 
【6畳の畳の敷き方】
【10畳の畳の敷き方】

室配置を行うに当たっては、下表の数値を記憶しスケール感を持ってエスキースを行ってください。
mm
m2
3畳
1間×1.5間
1820×2730
4.96 m2
4畳
1間×2間
1820×3640
6.62 m2
6畳
1.5間×2間
2730×3640
9.93 m2
8畳
2間×2間
3640×3640
13.24 m2
10畳
2間×2.5間
3640×4550
16.56 m2
12畳
2間×3間
3640×5460
19.87 m2
14畳
2間×3.5間
3640×6370
23.18 m2
E 外構、植栽などの計画
駐車スペース、駐輪スーペース、屋外テラス、道路からのアプローチなど、門、塀、植栽、テラス、階段、レベルなどを描き込みます。


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