|
C 「TANAKA式平面計画エスキスマニュアル」 の進め方
建物の1階・2階床面積を目安に単線フリーハンドで所要室を配置します。エスキスは1/100にて行ってください。
スケール感を養うためにも、製図と同じ縮尺を用います。プランを作成する上で注意することは、1・2階をできるだけ同時に考えることです。特に階段は上下階同じ位置にあり、配置によって室への動線に大きな影響があります。原則として2間(3,640mm)を超える幅の室を作らないことにより、木構造として、問題が少ない架構を構成できます。
|
|
1) 畳の大きさを基準にする
まず、所要室で条件とされている面積は、解答用紙のマス目いくつ分になるかを考えます。そのためには、平方メートルで考えるよりも、畳の枚数に換算したほうが、マス目を数えるだけですむので検討をつけやすいです。
解答用紙の1マスは、4.55oですので、これを「S=1:100」に換算すると、1マスが455oを表していることが分かります。つまり、畳の大きさは以下のようになります。
 |
|
半畳 (0.5畳)
|
1 畳
|
|
0.91m×0.91m
= 0.8281 u
|
0.8281u×2
= 1.6562 u
|
|
以上の関係をしっかりと把握し、1畳の大きさ 「1.6562」 という数値を覚えて下さい。 |
|
|
2) 所要室面積【u】を、【畳】に換算する
では、所要室面積【u】を、【畳】に換算します。他の用紙に所要室を書き出し、以下のような表を作成して下さい。「畳」と「u」を混同しないように、必ず単位をつけます。
「畳」 は画数が多く記入に時間がかかるため、「J」 と記します。
| (J=畳) |
|
1階所要室
|
面積条件[A]
|
何畳になるか計算[B]
|
備 考
|
| 玄関 |
−
|
−
|
2J以上
|
仮に設定
|
| 居間 |
23 u 以上
|
23÷1.6562≒13.88J→
|
14J以上
|
|
| 食事室 |
| 台所 |
9 u 以上
|
9÷1.6562≒5.43J→
|
6J以上
|
|
| 高齢者室前室 |
13 u 以上 |
13÷1.6562≒7.84J→ |
8J以上 |
|
| 高齢者室 |
12 u 以上 |
12÷1.6562≒7.24J→ |
8J以上 |
その他収納 |
| サンルーム |
9 u 以上 |
9÷1.6562≒5.43J→ |
6J以上 |
|
| 予備室 |
和室6畳 |
− |
6J |
その他押入 |
| 浴室 |
3 u 以上
|
3÷1.6562≒ 1.81J→
|
2J以上
|
|
| 洗面脱衣室 |
3 u 以上
|
3÷1.6562≒ 1.81J→
|
2J以上
|
|
| 便所 |
1,365×1,365
|
1.86÷1.6562≒1.1J→
|
2J以上
|
|
|
実際の試験では、問題用紙の「所要室」欄横やエスキス用紙に書き出します。
半端な畳は無いので、小数点以下は繰り上げます。2階も同じように計算します。
|
2階所要室
|
面積条件[A]
|
何畳になるか計算[B]
|
備 考
|
| 夫婦寝室 |
18 u 以上
|
18÷1.6562≒10.86J→
|
11J以上
|
|
| 夫婦室 |
12 u 以上
|
12÷1.6562≒ 7.24J→
|
8J以上
|
その他収納
|
| 子供室1 |
9 u 以上
|
9÷1.6562≒ 5.43J→
|
6J以上
|
その他収納
|
| 子供室2 |
9 u 以上
|
9÷1.6562≒ 5.43J→
|
6J以上
|
その他収納
|
| 便所 |
1,365×1,365
|
1.86÷1.6562≒1.1J→
|
2J以上
|
|
| 洗面所 |
−
|
−
|
2J以上
|
仮に設定
|
| 納戸 |
3 u 以上
|
3÷1.6562≒ 1.81J→
|
2J以上
|
|
| (吹抜部分) |
23*0.6=13.8u 程度
|
13.8÷1.6562≒ 8.33J→
|
9J程度
|
仮に設定
|
|
|
|
3) 総畳数を計算する
所要室の畳数が全部計算できたら、1階と2階それぞれの総畳数を出します。
|
1階所要室
|
何畳になるか計算[B]
|
| 玄関 |
2J以上
|
| 居間 |
14J以上
|
| 食事室 |
| 台所 |
6J以上
|
| 高齢者室前室 |
8J以上
|
| 高齢者室 |
8J以上 |
| サンルーム |
6J以上 |
| 予備室 |
6J |
| 浴室 |
2J以上 |
| 洗面脱衣室 |
2J以上
|
| 便所 |
2J以上
|
|
計
|
56J以上 |
|
|
|
2階所要室
|
何畳になるか計算[B]
|
| 夫婦寝室 |
11J以上
|
| 夫婦室 |
8J以上
|
| 子供室1 |
6J以上
|
| 子供室2 |
6J以上
|
| 便所 |
2J以上
|
| 洗面所 |
2J以上
|
| 納戸 |
2J以上
|
| (吹抜部分) |
9J程度
|
| 1 |
|
|
1 |
| 1 |
|
|
計
|
46J以上
|
|
1階と2階の差が10畳あることから、1階部分がL字またはT字型で、一部平屋=下屋 を出すと考えます。
1階の畳数の合計は 「56畳」。これに、収納や廊下、階段が加わるので、1.3 を乗じます。
(1.3 は、1階の所要室(総畳数)にかける係数で、目安として用います。)
|
56J×1.3=72.8 J → 73 J (1.3 は、所要室(総畳数)にかける係数)
|
|
2階の畳数の合計は 「46畳」。これに、押入や廊下、階段が加わるので、1.2 を乗じます。
(1階係数より数値が小さい理由は、収納等の居室以外の面積が、1階より小さくなると仮定しているからです。また、ここで吹抜部分を差し引かないで下さい。)
|
46J×1.2=55.2 J → 56 J (1.2 は、所要室(総畳数)にかける係数)
|
|
|
|
4) 面積確認のため逆算する
1階と2階の総畳数を出します。
つぎに、延べ面積が条件を満たしているかどうかを確認するため、総畳数から吹抜部分を差し引いた畳数を、uに換算します。
|
(129J−9J(吹抜)) × 1.6562u = 198.74 u
↓
延べ面積 : 180u ≦198.74u ≦ 210u ・・・・・・・・ ○
延べ面積の条件を満たしている。
|
|
もしも、条件より小さくなってしまった場合は、延べ面積条件の中間値(195u)になるよう、1階・2階それぞれに同面積分を増やします。
*室面積
|
畳
|
間
|
o
|
u
|
|
3畳
|
1間×1.5間
|
1820×2730
|
3.31u
|
|
4畳
|
1間×1間
|
1820×3640
|
6.62u
|
|
6畳
|
1.5間×2間
|
2730×3640
|
9.93u
|
|
8畳
|
2間×2間
|
3640×3640
|
13.24u
|
|
10畳
|
2間×2.5間
|
3640×4550
|
16.56u
|
|
12畳
|
2間×3間
|
3640×5460
|
19.87u
|
|
14畳
|
2間×3.5間
|
3640×6370
|
23.18u
|
|
上表の室面積を覚えておくと、所要室の面積条件にすぐに対応できます。
|
|
5) 建物の外枠を決める
建物の外形の形と大きさを決めます。これは、居室を組み合わせて建物を計画するよりも、敷地内に建物の外枠を決めておけば、その中に居室を配置するだけでよいので、エスキスが大変楽になるからです。簡単なジグソーパズルと同じです。
基本となる外形の大きさを決めるために、2階の面積を使用し、2階から計画します。
1.短手(東西)方向の長さを決める。
今回の敷地は、要求延べ面積のわりに比較的狭小であることから、若干南北にボリュームのある建物を想定します。
@ 4.5間〜5間程度で見当をつける。
A 1階の予備室は6畳に限定されているので、 【1.5間×2間+押入】の位置を考えておく。
B 廊下幅は 1,820o(4マス=1間) または 1,365o (3マス=0.75間)とし、後で調整する。
C 玄関、便所、階段、洗面・脱衣室、浴室等は北側に一列に配置する。
→2間 or 2.25間にするかは、面積や外構とのバランスを考えて決める。
このことを基本とするが、今回の敷地は東側接道なので、玄関は東側または北側に想定する。
D 敷地に配置する際は、敷地境界線から東西南北とも、1間(4コマ)以上離す。
2.長手(南北)方向の長さを決める。
@ 2階の総畳数を便宜的に偶数になるよう、2で割って坪に換算する。
1.で短手(南北)方向の長さを4.5間と決定したので、割り算をして長手(東西)方向の長さを出す。
28坪÷4.5間=6.2 間 → 7 間
↓
長手(東西)方向 = 7 間
|
|

|
|
6) 所要室のレイアウト
*エスキスは2階から
2階から計画します。
水回り、階段などを北側にゾーニングします。
また、1階部分を将来の高齢化に配慮した計画としなければならないことから、廊下幅員を1,820o程度確保したいため、2階の廊下も同様に配置しています。
1階も同様の配置にしますが、課題内容によっては水回り北側一列型が採用できない場合もあります。

2階エスキス 「作図時間目安 60分(1階+2階)」
|
|
今回の課題は東側接道ですが、北側に玄関を配置しています。将来の高齢化に配慮して1階の廊下幅員を1,820oとしています。
玄関はできるだけ端に配置しないほうが良いですが、設計条件、階段との位置関係、動線等によっては、やむを得ない場合もあります。その場合、必ず通し柱の両側に筋交のある耐力壁を配置して下さい。
1階の居間、高齢者室は、それぞれ屋外テラス、サンルームと隣接することから、南側に配置されることが想定できます。
また、1階と2階の各所要面積を比べると、1階が大きくなることが推定できますが、どの居室をどれだけ平屋にするのかを考えなければなりません。今回は基本的には総2階建てで計画し、サンルームだけを平屋として下屋を出しています。
ゾーニングした位置にそれぞれの要求室面積を方眼で確認しながら描き込み、階段の位置が決定したら、1階の要求室を同様に描き込みます。

1階エスキス 「作図時間目安 60分(1階+2階)」
ここで、柱の位置を●で塗りつぶして確認して下さい。1階と2階の柱の配置、筋交の位置を確認します。開口部の両端には、必ず柱を配置します。
以上のように、2階から作成しますが、1階の室配置も同時に考えながら進めて下さい。
また、この時点で、2階のエスキスには1階部分の屋根、面積が指定されている居室の最終面積も書き込んでおいてください。
|
|
階段と和室は、以下のパターンで覚えましょう。和室は畳数に換算した洋室にも応用できます。
*階段のレイアウト
 |
 |
* 住宅の階段は、14段以上を基本とします。 |
*和室のレイアウト
【4畳半の畳の敷き方】

○ |

× |
下の敷き方は、卍(まんじ)を意味するため、一般的には用いられません。
4畳半敷きの和室が出題されることはほとんどないと思いますが、確認しておいて下さい。
|
| 【10畳の畳の敷き方】

|
 |
和室には通常、押入、床の間等が付設されます。
6畳のように部屋が長方形になる場合は、出入口を長辺と短辺のどちらに配置するか、また隣接する室の壁の配置等によって、押入、床の間などの配置を決めます。
|
|
7) 開口部・家具の配置
エスキスに開口部を書き入れます。
外壁面のサッシやドアは、通風・採光を考慮して書き入れますが、幅は2間(3,640mm)以内に押さえないと床梁や胴差、軒桁の部材断面形状が大きくなりすぎ、バランスの悪い架構になってしまいます。
また、床梁や小屋梁をどう掛けるのかも考慮しながら位置を決定してください。
1・2階開口部の位置を合わせることで、構造的にもエレベーションも効率がよい建物が設計できます。
内部の開口部は、使い勝手、設備機器の配置、動線などを総合的に考え記入してください。
|
|
8) 外構、植栽などの計画
小型乗用車(5人乗り)1台分の駐車スペースと、3台分の駐輪スペースが要求されていますが、乗用車と駐車スペース、駐輪スペースの関係は以下のようになります。
 |
・標準の駐車スペース
(ただし、最低基準) |
・高齢者や車いすの乗降を考慮した駐車スペース |
・駐輪スペース |
その他、門、塀、植栽、テラス、階段、レベルなどを描き込みますが、慣れてくると、これらの作業は直接清書することで時間短縮が図れます。
|
|