■用途地域・容積率・建ぺい率
試験において、課題の建物が建築できない用途地域内での出題はありえないし、容積率や建ぺい率は、課題の条件内の面積を確保すれば、問題なくクリアできます。注意しておかなければいけないのは、建築面積の算定です。
建築基準法施行令第2条第1項第2号 建築面積
建築物(地階で地盤面上1m以下にある部分を除く。以下この号にておいて同じ。)の外壁又はこれに代わる柱の中心線(軒、ひさし、はね出し縁その他これらに類するもので当該中心線から水平距離1m以上突き出たものがある場合においては、その端から水平距離1m後退した線)で囲まれた部分の水平投影面積による。
・ピロティは、建築面積に参入する。
・玄関ポーチなどに柱がある場合は、その柱の中心線で囲まれた部分を参入する。
・1m以上はね出した庇や軒がある場合は、先端から1m後退した残りを参入する。
以上3点には、十分注意しましょう。 |

隣地境界線まで2,275mmの場合

隣地境界線まで1,820mmの場合 |
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■居室の採光
住宅の居室の有効採光面積は、その居室の床面積の1/7以上が必要です。居室8畳の場合、3.64x3.64×1/7=1.892uの有効採光面積が必要になります。この有効採光面積は、開口部面積に採光補正係数を乗じた値以下にならなければなりません。
隣地境界線までの距離が2,275mm、軒の出が455mmの場合
採光補正係数=D/H×6-1.4=1,820/4,170×6-1.4=1.218(住居系の地域の場合)
開口部面積=1,67×1.10=1.837(幅1,670mmは1,820mmの柱間にアルミサッシを設置した場合の有効寸法)
有効採光面積=開口面積×採光補正係数=1.837×1.218=2.237>1.892(居室8畳) OK |
隣地境界線までの距離が1,820mmで軒の出が600mmの場合
上図の開口部からだけでは1階の6畳の居室の場合、クリアできませんので、1階部分に採光が必要な居室がある場合には、他の開口部から採光が確保できるか、又は配置を調整する必要があります。
こんな計算を試験のときにする必要はありませが、明らかにクリアできるように隣地境界線からの距離、開口部面積を設計することが大切です。また、以下のような特例も考慮することができます。
・有効開口部が2ヶ所以上あるときは、加算することができる。
・随時開放できるふすまや障子などで仕切られた2室は1室とみなすことができる。
・道路に面する場合は、採光補正係数の算定地が1.0未満であっても1.0とすることができる。 |
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■その他
準防火地域や法22条の区域内の場合は、外壁、軒裏は、防火材料で、屋根は、不燃材料仕上げをする必要があります。これは、矩計図に書き表します。また、延焼の恐れのある部分の開口部は、防火戸を平面図に表示します。台所など火気使用室には、内装を不燃または、準不燃材料で仕上げを書きこみます。
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●構造チェック
耐力壁
外壁全長の半分程度を耐力壁とし、内部の壁についてはできるだけ1階と2階の壁が重なる部分を耐力壁とする。全体にバランス良く配置し、耐力壁ばかりが偏ることがないようにします。和室真壁では、たすき掛けは納まりが悪いので試験では採用しない方がよいと思います。
通し柱
通し柱は、基本的に建物の4隅に配置します。凹凸がある建物や2階の面積が小さいときなどは、4隅に配置できないこともあります。この時、2階の出隅、入隅の柱は通し柱としたほうがよいでしょう。通し柱は、最低4本必要です。5本、6本立てる時は、偏らずにバランス良く配置してください。一般の管柱(くだばしら)は、壁内1,820mm(1間)間隔で立てます。開口部や部屋を構成する場合でも、3,640mm(2間)以内に納めるようにしてください。
床梁・胴差断面寸法の決定
断面寸法表を参照し、各部材の断面寸法を確認してください。ここでは、「スパン」という言葉を使用します。スパンとは「1階の柱から柱まで」、両端が梁に架かる場合はその長さのことです。このスパンがいくつかによって、使用する部材断面がいくつになるかが決まります。
以下の表は、部材断面寸法を決定する際の目安となる数値です。絶対にこれらの数値を用いなければならないということではありませんが、試験ではこれらの数値を参考とすると決定しやすくなります。
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垂直方向の床梁・胴差
@ スパン1820 120×180(柱1+梁1)
A スパン1820 120×150(柱1)
B スパン1820 120×300(床梁Cを受ける為、同サイズを採用)
C スパン3640 120×360(柱1+梁1)
D スパン3640 120×300(荷重無)
水平方向の床梁・胴差
A スパン3640 120×300(荷重無)
B スパン3640 120×300(荷重無)
C スパン2730 120×300(荷重無)
D スパン1820 120×150(柱1)
E スパン1820 120×180(柱1+梁1)
F スパン1820 120×180(柱1+梁1)
Bのように床梁の寸法がそれを受ける胴差よりも大きい場合は、胴差の寸法を床梁以上とします。(1階の柱位置に架かる場合は必要なし)
●小屋梁・軒桁の断面寸法
スパン3640小屋梁 松丸太180φ
スパン3640軒桁 平角材120×240
小屋梁の断面はスパンだけを算定根拠とします。
断面寸法表は、基準寸法+(柱、梁が架かる合計数×30)であることが分かります。基準寸法を覚え、サイズアップするように考えておけば大丈夫です。
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床ばり、胴差しの断面寸法
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荷重条件 スパン
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1,820
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2,730
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3,640
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4,550
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スパン内に荷重(柱、梁)無し
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120×120
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120×210
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120×300
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120×330
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スパン内に荷重(柱、梁)1架る
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120×150
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120×240
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120×330
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120×360
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スパン内に荷重(柱、梁)2架る
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120×180
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120×270
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120×360
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120×390
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スパン内に荷重(柱、梁)3架る
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- |
120×300
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120×390
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120×420
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小屋ばりの断面寸法
| 使用材 スパン |
1,820 |
2,730 |
3,640 |
4,550 |
| 小屋梁 松丸太 |
末口105φ |
末口150φ(120φ) |
末口180φ(150φ) |
末口180φ |
| 小屋梁 角材 |
120×120 |
120×150 |
120×210 |
120×240 |
軒桁の断面寸法
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使用材 スパン
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1,820
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2,730
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3,640
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4,550
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基準寸法 角材
スパン内に荷重(梁)無し
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120×120
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120×210
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120×240
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120×270
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スパン内に荷重(小屋梁
松丸太150φ)を受ける場合
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120×150
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120×240
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120×270
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120×300
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スパン内に荷重(小屋梁
松丸太180φ)を受ける場合
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120×180
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120×270
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120×300
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120×330
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これでエスキスが完成し、作図に移りますが、この時点で課題文のチェックを必ず行ってください。要求室の落としが無いか?室面積は要求通りか?延べ床面積は?など。エスキスの時間は、約1時間が限度です。残りの3時間30分は、作図に専念しなければ製図答案は完成しません。
設計課題を読み取り、エスキスを完了させる能力も製図力と同様に訓練です。数多くの課題を練習することで計画力が身につきます。パターン化させた基本的なプランを課題に合わせ変更させることも一つの手段ですが、固執するあまりエスキスが完成しないこともあります。近年の出題は、計画力がかなり要求されるようになっています。
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