製図試験の概要

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2級建築士製図対策室  


平成29年二級建築士「設計製図の試験」合格をめざして 2017.1.17(火)

二級建築士「設計製図の試験」の制限時間は5時間です。この制限時間内に設計を完成させなければなりません。実務において、このように短い時間で設計をすることは、まずありません。施主と打合せを重ねお互いの意思を伝え合い、図面として表現していくことが本来の姿ですが、合否を決定する目的の設計製図の試験では、実務設計とは別の捉え方をしておく事が大切です。日頃から建築設計に従事し、設計の実力が充分な人でも必ず試験に合格できるとは限りません。制限時間内に与えられた条件から全図面を完成できるようになるには、訓練が必要です。”オリンピックアスリートのように試験日に合わせ調整していく”というイメージで取組んでください。


 

設計製図の試験の概要

設計課題は例年6月頃に発表されますが、この課題発表前は、木造か鉄筋コンクリート造、また鉄骨造かを推測することより、これら全てを勉強してみようと考えるほうが懸命です。設計製図の試験の合格対策として多くの受験者を指導させて頂いていますが、まず必要なことは製図力です。課題発表までは製図力を養うことに専念しましょう。

なお、この試験は都道府県知事から都道府県指定試験機関の指定を受けた財団法人建築技術教育普及センターが行っています。

平成28年「設計製図の試験」

平成28年の二級建築士「設計製図の試験」は、実受験者11,159人(うち製図から3,276人)、合格者5,920人、合格率は53.1%という結果が出ています。この一年、誘惑にも負けず懸命に努力された方だけが手にできる栄冠です。新たに5,920人の二級建築士誕生、おめでとうございます。

”二級建築士試験「設計製図の試験」は、「与えられた内容及び条件を充たす建築物を計画し、設計する知識及び技能について設計図書の作成を求めて行う。」ものであり、その合否判定における平成28年試験の「採点のポイント」、「採点結果の区分」及び「合格基準」は、次のとおりである。”

「採点のポイント」
「景勝地に建つ土間スペースのある週末住宅(木造2階建て)」
(1) 設計課題の特色に応じた計画
@ 良好な景観に対する計画上の配慮
A 居間(吹抜けを含む)及び玄関・土間スペースの配置・動線計画
(2) 計画一般(敷地の有効利用、配置計画、動線計画、設備計画、各室の計画等)
(3) 構造に対する理解
(4) 架構計画
(5) 断面に関する知識
(6) 要求図書の表現
(7) 設計条件・要求図書に対する重大な不適合
@ 木造2階建てでないもの
A 要求図書のうち図面が1面以上未完成
B 図面相互の重大な不整合(上下階の不整合等)
C 延べ面積条件が、「160u以上、190u以下」に適合していないもの
D 要求室のうち、次のいずれかの室が欠落又は設置階が違っているもの
1階: 玄関・土間スペース、居間・食事室・台所(これら3室を1室又は2室にまとめ てもよい)、ゲストルーム、屋内自動車車庫
2階:夫婦寝室、子ども室、浴室
E 著しく非常識な計画(階段の欠落等)

「採点結果の区分」
採点は4段階、T、U、V、Wに区分され、ランクTが合格という発表です。
 ランクT:「知識及び技能」※を有するもの
 ランクU:「知識及び技能」が不足しているもの
 ランクV:「知識及び技能」が著しく不足しているもの
 ランクW:設計条件・要求図書に対する重大な不適合に該当するもの
 ※「知識及び技能」とは、二級建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」をいう。
各ランクの割合は、T:53.1%、U:16.3%、V:18.1%、W:12.5% と発表されました。


「合格基準」
”採点結果における「ランクT」を合格とする。”


二級建築士「設計製図の試験」合格発表 JAEICより

標準解答例
試験問題等が建築技術教育普及センターに掲載されました。
”試験の透明性を高めるとともに、二級建築士を志す者に対して、習得すべき知識及び技能の目安を示すためのものです。(掲載期間は3年間)” 「学科の試験」と 「設計製図の試験」について、試験問題等と標準解答例が掲載されています。

建築技術教育普及センター(二級建築士試験 試験問題等)

出題傾向

近年の課題を検討すると、製図力は無論のこと計画力が要求される課題が多いようです。設計製図の試験は、答案用紙に作図し提出しなければなりませんので、未完成図での合格はありません。2級建築士製図対策室ではWEB製図講座製図練習課題製図答案例を公開しています。これらの無料コンテンツを活用し、時間内に製図を完成させる事を身に付けてください。

下表に過去に出題された課題を掲載しています。木造の場合は専用住宅や併用住宅、RC造やS造の場合は公共性の高い建築物が多く出題されています。
課題 構造・階数 出題ブロック
平成28年 景勝地に建つ土間スペースのある週末住宅 木造2階建 全ブロック共通
平成27年 3階に住宅のある貸店舗(乳幼児用雑貨店) 鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)3階建 全ブロック共通
平成26年 介護が必要な親(車椅子使用者)と同居する専用住宅(木造2階建) 木造2階建 全ブロック共通
平成25年 レストラン併用住宅(木造2階建) 木造2階建 全ブロック共通
平成24年 多目的スペースのあるコミュニティ施設 鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)2階建 全ブロック共通
平成23年 趣味(自転車)室のある専用住宅 木造2階建 全ブロック共通
平成22年 兄弟の二世帯と母が暮らす専用住宅 木造2階建 全ブロック共通
平成21年 商店街に建つ陶芸作家のための工房のある店舗併用住宅 鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)3階建 全ブロック共通
平成20年 高齢者の集う趣味(絵手紙)室のある二世帯住宅 木造2階建 全ブロック共通
平成19年 住宅地に建つ喫茶店併用住宅 木造2階建 全ブロック共通
平成18年 地域に開かれた絵本作家の記念館 鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)2階建 全ブロック共通
平成17年 近隣の街並みに配慮した車庫付二世帯住宅 木造2階建 全ブロック共通
平成16年 趣味(フラワーアレンジメント)室のある専用住宅 木造2階建 全ブロック共通
平成15年 吹抜けのある居間をもつ専用住宅 木造2階建 北海道,東北,関東,近畿,東海,中国四国,九州ブロック
住宅地に建つ動物病院併用住宅 鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)2階建 近畿ブロック
平成14年 工房のある工芸品店併用住宅 木造2階建 北海道、東北、関東、近畿、中国四国
商店街に建つコミュニティ施設 鉄骨造(純ラーメン構造)2階建 北陸、東海、九州
平成13年 英会話教室併用住宅 木造2階建 北海道、東北、関東、北陸、東海、中国四国、九州
ルーフガーデンのある親子二世帯住宅 鉄筋コンクリート造(壁式構造)2階建 近畿
平成12年 趣味(音楽)室のある親子二世帯住宅 (木造2階建) 北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国四国
高原に建つペンション 鉄筋コンクリート造2階建 九州
平成11年 家庭菜園のある専用住宅 木造2階建 全ブロック共通
平成10年 将来の高齢化に配慮した専用住宅 木造2階建 北海道、東北、関東、北陸、中国四国、九州
健康づくりのための小規模な屋内運動施設 鉄筋コンクリート造平家建 東海、近畿
平成9年 歯科診療所併用住宅 木造2階建 全ブロック共通
平成8年 高齢者の同居する専用住宅 木造2階建 北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国四国
景勝地に建つ観光センター 鉄筋コンクリート造2階建 九州
平成7年 平面形状が台形の敷地に建つ専用住宅 木造2階建 北海道、東北、関東、九州
薬局併用住宅 木造2階建 北陸、中国四国
音楽教室のある楽器店 鉄筋コンクリート造2階建 東海、近畿
平成6年 書斎のある専用住宅 木造2階建 北海道、東北、北陸、東海、中国四国、九州
喫茶コーナーのあるケーキショップ 木造2階建 関東、近畿
平成5年 車庫付専用住宅 木造2階建 北海道、東北、近畿
歩行者専用道路に面する生花店併用住宅 木造2階建 関東、北陸、東海、中国四国
喫茶コーナーのある画廊併用住宅 鉄筋コンクリート造2階建 九州


要求図面の時間配分

木造の課題では、1階平面図兼配置図、2階平面図、立面図、2階床伏図兼1階小屋伏図、部分詳細図(矩計図)、面積表などが要求されています。また、鉄筋コンクリート造・鉄骨造では、1階平面図兼配置図、2階平面図、3階平面図、立面図、断面図、面積表、仕上表、主要構造部材表などが要求されています。平成24年から、主要な室等の計画の要点(工夫した事項や設計意図)等について記述する内容を付加した出題がされています。

木造の課題では、2階床伏図兼1階小屋伏図の要求があります。2階床伏図兼1階小屋伏図の作成は、在来軸組構造を理解していなくてはならず、木構造の部材名称や継手、仕口等について整理を行ってください。また、この機会にぜひ、建方中の木造建築物を見学し、軸組みの構成、継手、仕口などを確認してください。


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