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一級建築士「設計製図の試験」合格をめざして

一級建築士の製図の試験は、制限時間5時間30分。この時間内に設計を完成させるという過酷なものです。実務においてこのような短い時間で設計をすることは、まずありません。施主と打合せを重ねお互いの意思を伝え合い、図面として表現していくことが本来の姿だと思いますが、合否を決定する目的の試験は、実務設計とは違うとらえ方をしておく事が大切です。試験では、日頃から建築設計に従事し、設計の実力が充分な人でも必ず合格できるとは限りません。制限時間内に与えられた設計条件から全図面を完成できるようになるには、訓練が必要です。”オリンピックアスリートのように試験日に合わせ調整していく”というイメージで取組んでください。

1級建築士製図対策室では、試験対策として「実践課題」を活用したメンバールームを課題発表日から開設します。合格を勝ち取るという強い意思がある方には、価値あるサイトになると思います。


設計製図の試験の概要

一級建築士「設計製図の試験」は、全国統一課題で出題されています。設計製図の試験課題は例年7月下旬に発表されますが、この課題発表までは製図力を身に付け、過去の出題等により基本的な設計プロセスを学んでください。

ここ数年の一級建築士「設計製図の試験」は、計画力、製図力はもちろん、課題文の読解力を要するものが多く、読み違えると求められている主旨とは異なる設計になり、大きな減点、失格になることも多いようです。

平成19年「設計製図の試験」

設計課題 子育て支援施設のあるコミュニティセンター

平成19年の一級建築士「設計製図の試験」は、受験者7,501人、合格者3,705人、合格率は49.4%という結果が出ています。

採点は4段階、T、U、V、Wに区分され、ランクTが合格です。
 ランクT:「知識及び技能」を有するもの
 ランクU:「知識及び技能」が不足しているもの
 ランクV:「知識及び技能」が著しく不足しているもの
 ランクW
設計条件・要求図面等に対する重大な不適合に該当するもの
 *「知識及び技能」とは、一級建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」をいう。

各採点ランクの割合は、T:49.4%、U:22.2%、V:20.0%、W:8.4% と発表されました。

採点のポイント 

平成19年設計課題 子育て支援施設のあるコミュニティセンター


一級建築士試験「設計製図の試験」は、「与えられた内容及び条件を充たす建築物を計画し、設計する知識及び技能について設計図書等の作成を求めて行う。」ものであり、その合否判定における平成19年試験の「採点のポイント」、「採点結果の区分」及び「合格基準」は、次のとおりである。

(1) 計画一般
(敷地の有効利用、配置計画、ゾーニング、動線計画、各部門・各室の計画等)
(2) 設計課題の特色に応じた計画
@ 子育て支援部門、文化・教養活動部門及び共用・管理部門のゾーニング・動線計画
A 施設を利用する子どもに対する安全の確保のため目が届くような配慮及び高齢者、障害者等の利用に配慮した計画
B 建築物全体が、構造耐力上、安全であるような計画
C 建築物の環境負荷低減に配慮した計画
(3) 構造・設備に対する理解
(4) 設計図書の表現
(5) 設計条件・要求図面等に対する重大な不適合
@ 「要求図面のうち1面以上欠けるもの」、「建築計画の要点が記述されていないもの」、「構造計画の要点が記述されていないもの」、「建築物の環境負荷低減について、特に配慮したことが記述されていないもの」「設備計画の要点が記述されていないもの」又は「面積表が完成されていないもの」
A 地上3階建でないもの
B 図面相互の重大な不整合(上下階の不整合、階段の欠落等)
C 床面積の合計が「2,000u以上、2,500u以下」でないもの
D 「所要室」のうち、次のいずれかの室又は施設が計画されていないもの
受付ホール、スタッフルーム、プレイルーム、託児室、育児交流室、育児相談室、図書室、集会室、音楽スタジオA、調理実習室、工作室、和室、エントランスホール、展示ホール、管理事務室、噴水広場、屋上庭園、便所(各階に全くないもの)
E 乗用エレベーター(1基)が計画されていないもの
F その他設計条件を著しく逸脱しているもの(多数の室・施設の欠落等)
※ 一級建築士「設計製図の試験」合格発表 JAEIC より


JAEICによる「設計製図の試験」標準解答例の公表

”標準解答例は、試験の透明性を高めるとともに、建築士を志す者に対して、習得すべき知識及び技能(一級建築士として必要な「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」をいう。)の目安を示す資料として、当センターに設置された試験委員会で作成されたものです。なお、標準解答例は、合格水準の標準的な解答例を示すことを意図したものです。”とコメントされています。図面の精度・表現方法など参考にする点が多くあり、家具や設備機器の記入密度、特定防火設備の表現などは、この解答例を目安にすることができます。また、採点のポイントに示されたように、敷地の有効利用、配置計画、各部門のゾーニングと動線計画、周辺環境の配慮に重きを置いた採点がされるていることも推察できます。
(JAEICの解答例は、平成20年7月下旬まで掲載予定とされていますので、早めにチェックしておきましょう。)

  財団法人建築技術教育普及センター(JAEIC)

出題傾向


下表に過去13年間に出題された課題を掲載しています。不特定多数が利用する公共性の高い建築物が多く出題されています。
課題 構造・階数 延べ面積 受験者 合格者 合格率
平成19年 子育て支援施設のあるコミュニティセンター 構造種別は自由
地上3階建
2000〜
2500u
7,501人 3,705人 49.4%
平成18年 市街地に建つ診療所等のある集合住宅 鉄筋コンクリート造
地下1階、地上5階建
3000〜
3600u
11,386人 3,579人 31.4%
平成17年 防災学習のできるコミュニティ施設 鉄筋コンクリート造
地上2階(増築)
1800〜
2300u
18,322人 5,548人 30.3%
平成16年 宿泊機能のある「ものつくり」体験施設 鉄筋コンクリート造
地上3階
2200〜
2600u
16,313人 5,470人 33.5%
平成15年 保育所のある複合施設 鉄筋コンクリート造
地上3階,地下1階
2200〜
2700u
11,100人 4,477人 40.3%
平成14年 屋内プールのあるコミュニティ施設 鉄筋コンクリート造
地上3階,地下1階
2300〜
2800u
10,203人 3,733人 36.6%
平成13年 集合住宅と店舗からなる複合施設(3階建) 鉄筋コンクリート造
地上3階
1700〜
2100u
12,480人 4,120人 33.0%
平成12年 世代間の交流ができるコミュニティセンター 鉄筋コンクリート造
地上2階,地下1階
2200〜
2600u
15,971人 7,073人 44.3%
平成11年 高齢者施設を併設した集合住宅(高齢者施設については、デイサービス(日帰り介護)及びショートステイ(短期入所生活介護)を行う施設である。) 鉄骨鉄筋コンクリート造
地上7階,地下1階
3700〜
4200u
16,161人 7,374人 45.6%
平成10年 多目的ホールのある事務所ビル 鉄骨鉄筋コンクリート造
地上7階,地下1階
4000〜
4500u
15,582人 7,214人 46.3%
平成9年 緑豊かな吹抜け空間のある地域図書館 鉄筋コンクリート造
地上2階
2000〜
2500u
14,648人 6,977人 47.0%
平成8年 景勝地に建つ研修所 鉄筋コンクリート造
地上2階,地下1階
1500〜
2000u
14,571人 6,854人 47.0%
平成7年 市街地に建つコミュニティセンター 鉄筋コンクリート造
地上3階
2400〜
2900u
14,559人 6,842人 47.0%
平成6年 地方都市に建つ美術館 鉄筋コンクリート造
地上2階
2000〜
2400u
13,814人 6,884人 49.9%

時間配分

 設計製図の試験では、配置図兼1階平面図1/200,各階平面図1/200,立面図1/200,断面図1/200,面積表,設計主旨などが要求されます。課題によって要求図面が異なりますが、どの図面が求められてもいいように練習しておくことが必要です。また、試験の制限時間は5時間30分です。配分は下表を目安にしてください。

エスキース 2時間
作図 3時間
見直し等 30分

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